健康に関する本のブログ

老化は予防できる、治療できる(根来秀行氏)要約

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今回は「老化は予防できる、治療できる」 著者「根来秀行(ねごろひでゆき)」氏の本の要約です。

いつまでも健康で自分らしく長生きしたい」

きっと多くの人がこう願っていることでしょう。

実際日本は長寿大国と言われているほど、多くの人が長生きしています。

しかしながら、健康で若々しく長生きすとなるととても難しいことであるように思えます。

「長生きはしたいけど、周りに迷惑はかけたくない。自立して生活したい

きっと多くの人はこう思っているでしょう。

今回要約する本「老化は予防できる、治療できる」では、いつまでも若々しく元気に長生きするためのカギ「テロメア」について、ハーバード大学の客員教授でもある著者が最新の研究に基づき詳しく解説していきます。

一流大学の研究に基づいた最新の健康法について学び、いつまでも元気ですばらしい人生を過ごせるようにしましょう!

本書の要点は次の3つです。

1.テロメアのはたらき

2.なにがテロメアを短くしているのか

3.テロメアをムダ使いしないための生活習慣

テロメアのはたらき

そもそも「テロメア」って何なのでしょうか?

テロメアの働きを一言で言い表すなら「私たちの遺伝子を守るもの」ということになるでしょう。

私たちの遺伝子が傷つくと、細胞が機能しなくなったり、ガンになったり、細胞が突然死したりしてしまいます。言い換えるなら私たちが健康に暮らせているのは、テロメアが遺伝子を守ってくれているからといっていいでしょうまるで鉛筆のキャップが鉛筆の芯を守ってくれているように、テロメアも私たちの染色体の末端で遺伝子を守ってくれているわけです!

しかし、テロメアは私たちが年をとるたびにだんだんと短くなっていきます。

私たちの細胞が成長して分裂すると共に、テロメアも短くなってしまうのです。

分裂を繰り返した細胞は老化し、やがて分裂を止めてしまいます。

分裂が寿命に達した細胞は二度と分裂や増殖ができなくなります。

これを「老化細胞」といいます。

老化細胞ははたらきもふつうの細胞と比べてかなり低下しますが、酸素や栄養は消費する、いわば厄介な存在なのです。例えば、老化細胞は炎症作用や発がん促進作用があることが近年の研究でわかってきました。

それと同時に、近年の老化細胞に関する研究では、テロメアを無駄遣いせず、良好な状態に保つことができれば、動脈効果、心筋梗塞、認知症・がんなどの発症を抑えることも可能だと考えられるようになってきました。テロメアはいわば健康寿命の指標なのです。

なにがテロメアを短くしているのか

ここまでみてきたように、テロメアは健康寿命の指標と考えられています。

では、具体的にテロメアを無駄遣いしてしまう原因としては、いったいどのようなものが挙げられるのでしょうか?

テロメアを短くしてしまう原因としては、遺伝や生活習慣など様々なものが挙げられますが、ここではその中でも特に重要である「炎症」「糖化」「酸化」の3つについて解説します。

それぞれが起こるメカニズムとテロメアにどのような影響を及ぼすのかについて見ていきましょう。

まず1つ目は「炎症」です。

炎症はからだの防御反応といわれます。ワクチンで腕が腫れたり、口内炎や日焼けで顔が赤くなるのも炎症です。この時、私たちの体は傷ついた部分を治そうと、細胞は分裂、増殖を行います。そのとき、テロメアは短くなって細胞の老化が進みます。テロメアが短くなるということは、DNAが損傷を受けるリスクが高まっていることを意味します。

最近老化細胞との関りが指摘され、注目されているのが慢性炎症です。慢性炎症とは本来は一定期間が過ぎれば治るはずの炎症反応が長引いて慢性化した状態をいいます。老化細胞が増えると、慢性炎症になりやすくなり、慢性炎症が起きると細胞の老化が進み細胞は衰えていきます

もちろんテロメアも短くなります。

慢性炎症と老化は負の相互関係があるのです。

2つ目は「糖化」です。

糖化とは食事から摂った過剰な糖分が体内のたんぱく質などと結びつき、たんぱく質が変形、劣化して最終糖化産物が作られる現象のことです。この最終糖化産物のことをAGEs(エイジズ)と言います。

AGEsが蓄積すると、細胞のはたらきが抑制され、新しい細胞の供給が滞ってしまいます。そうすると、例えば肌であればコラーゲンなどが失われ、シワやたるみ、くすみに発展します。

糖化は肌だけではありません。骨でも起こります。骨で糖化が起こると、過度に老化が起こり、もろくなります。細胞だけでなく体の至る所で老化が起こる原因になるのです。

人工甘味料の多い食事をする機会が多い方や、糖分の多いスイーツが好きな方は知らず知らずのうちにAGEsが蓄積している可能性があります。くれぐれも注意しましょう。

3つ目は「酸化」です。

酸化も炎症、糖化とともにテロメアを短くしています。鉄でできた釘を放置しておくとさびますが、これは鉄が空気中の水と酸素と反応して酸化鉄になるからです。切ったリンゴの断面がしばらくすると茶色く変色するのも酸化によるものです。さびついた釘は脆くなり、変色したリンゴはやがてくさくなります。

みなさんの体でも同じように酸化の現象は起こっています。この酸化を食い止めるには酸化を抑える物質「抗酸化物質」のはたらき「抗酸化作用」を低下させないことが重要なのです。抗酸化作用は加齢のほかに不規則な生活で低下します。こうして体の酸化と抗酸化のバランスが崩れ、酸化が優勢になった状態を「酸化ストレス」といいます。

酸化ストレスは細胞そのものを傷つけてしまいます。

また、傷ついた場所では炎症反応が起き、長引くと慢性炎症につながります。さらに、遺伝子が傷ついた細胞はがん化するリスクが高まります。このように、酸化もまた、テロメアの無駄遣いを招いて健康寿命を脅かす要因となるのです。

テロメアをムダづかいしないための生活習慣

さて、テロメアの浪費を招き老化につながる悪習慣について解説しましたが、ここからはテロメアの浪費を防止し、老化しないからだづくりについていくつか紹介します。

テロメアを無駄使いしないためには、毛細血管、自律神経、ホルモンのコンディションが整っていることが大事です。

ここでは「呼吸」と「良質な睡眠」という2つの方法について解説します。

まずは「呼吸法」についてです。

良い呼吸法を説明する前に悪い呼吸法について学びましょう。

悪い呼吸法とはずばり「血中の二酸化炭素濃度が低下している」呼吸法です。

口呼吸がこの二酸化炭素が低下する呼吸法の代表例といえるでしょう。

口呼吸は鼻の呼吸よりも回数が増える傾向にあります。

そしてその結果、血中の二酸化炭素が減っているのです。

先に述べたように良い呼吸法とは鼻呼吸のことになります。

気道を確保し、質の良い鼻呼吸をするためにも、舌の位置は上顎を押す位置に置くこと、

細胞呼吸の効率をあげるためにも腹式呼吸を意識することが大事です。

2つ目は「良質な睡眠」です。

睡眠中は、体内で細胞レベルでの修復、再生が行われています。

なにかと忙しい現代人はつい、睡眠時間を削りがちですが、短時間睡眠では細胞が修復する時間が足りず日中の活動に支障を来すようになります。

理想の睡眠時間は7時間です。

研究では、高齢者に限ったお話ですが、7時間を下回るとテロメアがダメージを受けるという報告がされています。

しっかりと睡眠時間は確保するようにしましょう。

まとめ

それでは最後に今回のまとめです。

私たちの身体には、「テロメア」という健康寿命の指標となる細胞があります。

そして健康寿命を増やすためにはこのテロメアを無駄遣いしないことが大事です。

テロメアを短くしないためには、体の細胞にとって良い生活習慣が大事です。

細胞を良好な状態に保つには、「良質なバランスの良い食事を摂る」、「口呼吸を鼻呼吸に変える」「適切な睡眠時間を確保する」という3つの生活習慣を実践していくのが良いでしょう。

テロメアを適切な長さに保ち、いつまでも若々しく過ごせるように健康寿命を延ばしていきましょう。

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