健康に関する本のブログ

オリゴ糖の効用(大山武司)要約

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今回は「オリゴ糖の効用」の要約です。
著書は医学博士の大山武司(おおやま・たけし)氏です。

オリゴ糖は腸内の有用菌であるビフィズス菌のエサになり、ビフィズス菌を増殖させてくれます。それにより現代病を予防する多くの働きが期待されています。例えば便秘を解消したり、大腸がんや直腸がんの予防となってくれたり、また免疫力を高める作用があり、老化を予防すると同時に若さと美しさを保ってくれます。

更にはコレステロール値や血圧を下げてくれ、解毒作用のため、肝機能までも守ってくれます。私たちの体の重要な役割を果たしているのは腸であり、植物でいうと根にあたります。根が老化したり、腐ったりすると食物も枯れて死んでしまうように、腸こそ老化の問題や秘密が隠れているのです。

本要約の要点は4つです。
1、 オリゴ糖とは何か
2、 ビフィズス菌とは何か
3、 便秘を解消、オリゴ糖のはたらき
4、 オリゴ糖の安全性

オリゴ糖とは何か

オリゴ糖とは、ショ糖を原料としたフラクトオリゴ糖、コーンスターチなどのイソマルトオリゴ糖、牛乳や大豆、てんさい糖などを原料としたガラクトオリゴ糖、それにカニ殻などの成分を原料にしたキチンオリゴ糖など数種類があります。それらの効果はどれも似ています。フラクトオリゴ糖は砂糖に酵素を作用させて作られており、甘みは砂糖の約60%です。ガラクトオリゴ糖は、高濃度の乳糖液にこうじのカビのβ(ベータ)―ガラクトシダーゼを作用させて作られ、甘みは砂糖の約40%で、構造式はガラクトースが1-4分子結びついています。イソマルトオリゴ糖はブドウ糖にグルコアミラーゼを作用させて作られており、甘みは砂糖の約半分です。構造式はグルコースが1-6結合した糖が2,3個集まってできています。
オリゴ糖は原料の前処理をし、上澄みができ、ろ過され、脱色脱塩され、濃縮として、オリゴ糖シロップが出来上がります。出来上がったオリゴ糖は熱にも酸にも強いので、用途も広く注目されており、機能をもつ食品の一番手にあげられています。

ビフィズス菌とは何か

1899年、パスツール研究所のティシエ博士が、母乳栄養児の腸内には空気のあるところでは、培養できない嫌気性の乳酸菌が最優勢であることを確かめ、これをパチルス・ビフィズスと名付けました。それによってビフィズス菌が小児科で乳児栄養の最有力腸内細菌として常に話題の中心になりました。有益菌を含めた菌は主に小腸下部から大腸に叢をなして住み着いており、これを腸内細菌叢と呼び、大きく分けると、善玉菌、悪玉菌、中間菌に分けられます。善玉菌はビタミンを作り出したり、食物の消化吸収を助けたり、悪性外来菌の増殖を抑え、免疫力を強化するなど、宿主の人間に貢献する有益な菌のことです。ビフィズス菌はこの有益菌の代表格です。逆に、悪玉菌とは、腸管内で食べ物の一部を分解し、腐敗物質や毒素、発がん物質などをつくり出すといったやっかいものです。

人間は生まれると同時に、いろいろの菌が消化管に住みつき、最初は大腸菌や腸球菌が優勢を占めています。しかし生後5日目からビフィズス菌が優勢になり、大腸菌などは一定まで減り、腸内細菌叢は安定します。この状態が一生続けば問題なく健康に美しく過ごせます。
しかしそこで、添加物が多く含まれた食品を口にしたり、ストレスや過労、薬の飲みすぎなどで日常の生活環境が、腸内の細菌叢のバランスに悪影響を与えると、腸内細菌叢のバランスが崩れます。多くの場合、善玉菌のビフィズス菌が減少し、悪玉菌の代表格であるウエルシェ菌が増加するのです。

便秘を解消、オリゴ糖のはたらき

国際親善総合病院の加藤院長は、『菌も生き物ですから、腸内で増殖するにはエサがいる。ビフィズス菌は大腸に多く棲息している。オリゴ糖は消化吸収されずに、大腸まで達するので、ビフィズス菌の増殖力は一段と強化され、腸内環境をビフィズス菌優勢に保つことができる』と述べています。

実際、ビフィズス菌増殖因子として期待が高まっているオリゴ糖は、玉ねぎやアスパラガス、牛蒡やはちみつ等に微量含まれるフラクトオリゴ糖を筆頭に、大豆や母乳、牛乳などに含まれるガラクトオリゴ糖、そして味噌やしょう油、清酒などに含まれるイソマルトオリゴ糖などがあります。
大腸ガンや直腸がんの予防となり免疫力も高めてくれるオリゴ糖ですが、先ずは便秘を解消してくれます。それは腸内の細菌バランスを健康にしてくれるからです。腸内のビフィズス菌を優勢にしておけば、酢酸や乳酸などの有機酸が増殖し、腸壁を刺激し自然なお通じを可能としてくれます。それ以外にも、有害な菌の増殖を抑え、腸内の状態をよくしてくれるので、様々な病気の予防にも繋がるのです。

オリゴ糖の安全性

食物には栄養と食欲を増す味覚だけではなく、代謝を活性化したり、病気などを予防したりする、生体調整機能をもった成分が含まれており、昔から食効のある食品といわれてきました。オリゴ糖は砂糖の70%ほどの甘さですっきりした味ですし、長期間の保存にも変化しないという特質があります。そのため、育児用の人工乳やヨーグルトなどの乳製品、清涼飲料やアイスクリーム、かまぼこなど多くの応用が期待されています。
オリゴ糖は大豆や牛乳、玉ねぎやアスパラガスなどの食品が原料となり作られるため、安全性は全く心配がありません。食物繊維やレシチンなどとともに、特定保健用食品とよばれる、厚生省による体の調整機能が含まれ、機能性食品を正式に認可するものの候補にあがっています。現代病を予防する多くの働きがあるため、腸内にてビフィズス菌のえさとなり、ビフィズス菌を増殖させるという大変有効な作用があります。

まとめ

この本の要約では、オリゴ糖とは何かから始まり、オリゴ糖を得るにはどういった食べ物を摂るべきか、また実際にどういったはたらきがあるのかが詳しく説明されています。アメリカナイズされた食生活の結果がガンなどの難病多発に繋がり、病人が増え続け、医療費も増え続けています。そんな時代だからこそオリゴ糖は特定保健用食品として食効があり、上手に利用して健康に過ごしたいものだと筆者は説いています。動脈硬化や心臓病、脳卒中などの効能についても詳しく説明があるので、気になった方は是非一度、本書を手にとって読んでみてください。

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