今回は「奇跡が起こる半日断食」
著者、甲田光雄氏の本の要約です。さっと動画で見たい方はこちら、約8分です。
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「奇跡が起こる半日断食」 著者 甲田光雄氏
皆さんは「断食」と聞くとどのようなことを思い浮かべますか?
イスラム文化圏にはラマダーンと呼ばれる断食の風習があるため、もしかすると宗教的なイメージを持っている方々も多いかもしれません。本書の著者である甲田医院院長の甲田光雄氏は、そのような何日も断食する「本断食」ではなく、朝食だけを抜く「半日断食」を健康のために強くお勧めしています。実は「半日断食」は、誰でも始めやすいだけではなく、様々な健康効果が期待できる優れた健康法なのです。本要約では「半日断食」の具体的な方法と、その健康効果について詳しく解説していきます。
本書の要点は以下の三つです。
1.食事にまつわる誤った思い込みを捨てよう
2.半日断食の具体的な方法
3.半日断食のすごい効果
食事にまつわる誤った思い込みを捨てよう
巷には、健康法に関して様々なことが言われています。例えば厚生労働省は「各種の栄養をバランス良く摂取するために、一日30品目を食べましょう」などと謳われています。このような情報は一見正しそうに見えますが、実際にこれを実行しようとすると非常に難しく、非現実的であることは多くの人が実感じていることでしょう。欠点はそれだけではなく、30品目を食べようとすると、結果的に食べ過ぎになってしまうという、大きなリスクと問題をはらんでいます。栄養やカロリー重視で食事をすると、食べ過ぎになりかえって健康に害を与えてしまう可能性がり、これでは本末転倒です。
また、「朝食は体に良い」というのもよく言われていることですが、果たしてこれは本当なのでしょうか?確かに1日3食の人がたまに1食抜くと、頭がふらついたりボーッとしたりすることがあります。だからと言って、「脳にブドウ糖が足りないから朝食を抜くのは良くない」と考えるのは早とちりでしょう。実際に朝食を抜いたとしても、脳はエネルギー源となるケトン体や脂肪などの別の物質を利用しだすので、脳の働きが悪くなるということはないです。むしろ頭はスッキリして、働きが良くなります。
確かに1日3食の人が朝食を抜くと頭がフラつくかもしれませんが、こういったことは最初だけであり、その後すぐに慣れていくはずです。
このように朝食をとって栄養を摂取するよりも、朝は「出す」ことが何よりも大事です。私たちの体は、食べ物から栄養とエネルギーを摂り入れ、それを代謝し、残りカスを排泄します。実は排泄が十分に行われないと、宿便と呼ばれるものや老廃物を体内にため込むことになり、それが私たちの健康を阻害して、病気や症状をもたらすことになります。もし朝食を食べてしまうと食べ過ぎになりやすく、排泄が十分に行われません。朝しっかりと排泄をして、腸内を綺麗で健康に保つためには、やはり朝食を抜くのが一番と言えるでしょう。
このように、私たちの身の回りには一見正しそうに見えて、実は正しくない誤った常識や思い込みが数多く存在しています。半日断食を行うには、まずはこのような誤った思い込みを捨て去ることから始めなければいけません。
半日断食の具体的な方法
では次に、半日断食の具体的な方法について解説していきます。
半日断食の基本は一言で言ってしまうと「朝食を抜くこと」ですが、もう少し細かくいうといくつか気をつけることがあります。
まずは「午前中は朝食を食べずに、水分をしっかりととること」です。
朝食を抜いた分、本来食事から摂取される量の水分を、しっかりと補給しましょう。この時の水分は生水や柿の葉茶で、1日1.5~2Lの水分をとりましょう。また朝は、睡眠中に体から水分が失われているため、最低でも500ml以上の水分補給が必要です。
ただし、食事中と食後三時間は水分補給を行ってはいけません。
次に「昼食と夕食の量は普段より軽めにし、間食や夜食をしないこと」です。
朝食を抜いた分、昼食や夕食、また間食や夜食に食べてしまっては半日断食の意味がなくなってしまいます。
そして、「慣れてきたら肉、乳製品、油、刺激物を避けること」も心がけてみましょう。
理想的な半日断食メニューは玄米菜食です。海藻類やキノコ類、野菜を積極的にとり、動物性食品をとる場合は小魚が良いです。
半日断食のすごい効果
では、半日断食を行うことによって、私達はどのようなメリットがあるのでしょうか。その効果は非常に大きいものですが、それらは「健康面・美容面・精神面」で特に大きなメリットがあります。
半日断食は免疫力を上げるだけではなく、活性酸素を減らしたり毒素を排出したりしながら、生活習慣病の予防までも担います。さらにはダイエット効果や美肌効果、アンチエイジング効果もあり、見た目はいつまでも若々しく保つことができます。
さらに断食は「快感をもたらす」とも言われています。断食中には脳が何をエネルギー源として使うか調査した研究では、50%がケトン体のβ-ヒドロキシ酪酸、α-アミノ窒素とアセト酪酸がそれぞれ10%、ブドウ糖が30%でした。ここで重要なのが、50%はケトン体のβ-ヒドロキシ酪酸を使う点です。ケトン体をエネルギー源にした脳は、脳波の一つであるα波を増やし、脳下垂体からはβ-エンドルフィンという快感物質の分泌量も増えることがわかっています。これらが増えることによって爽やかな気分になり、心が平穏になり、とてもリラックスした気持ちになるのです。
まとめ
このように様々な良い効果をもたらしてくれる「半日断食」。もしかすると、断食がここまで体にいいことだなんて思ってもみなかった方も多いのではないでしょうか。「健康」といえば、「栄養」にばかり目が向けられがちですが、それと同じくらい「排泄」も重要です。断食によってもたらされる効果の全ては、半日断食が朝にしっかりと宿便を排泄する助けになることに起因しています。何日も断食する「本断食」は個人で実行するのは難しいですが、朝食だけ断食する「半日断食」は誰でもすぐに始めることができます。ぜひ日々の生活に半日断食の習慣を摂り入れ、」いつまでも若々しく病気にかからない素晴らしい生活を手に入れましょう。本書や本要約が皆様の健康生活の一助になれば幸いです。
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