食に関する本のブログ

脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因(真島康雄氏)要約

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今回は「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」

著者 真島 康雄(ましま やすお)氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方はこちら、約9分です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因 著者 真島康雄氏

超高齢化社会に入った今、私たちは元気に長生きすることが求められます。そのカギを握るのが動脈硬化。心血管系の疾患は、生活習慣病やがん、ときに心不全などの急死を招くことがあります。血管壁の内側にコレステロール(脂質の種類)がへばりついて、血流が悪くなり、高血圧などが生じるのです。筆者は、こうした動脈硬化の要因を「油と脂」だと述べ、コレステロール値を下げる薬や減塩生活よりも「油」を気にすることが有効な手段だと示しています。今回は、薬に頼らない動脈硬化対策について、筆者のデータ分析をもとに解説いたします。

本書の要点
1.世の中には、動脈硬化に対する誤解がある
2.血管プラークがあらゆる病気を引き起こす
3.動脈硬化の数値から、健康常識の非常識が解明された
4.薬よりも食事の改善を行おう!

世の中には、動脈硬化に対する誤解がある

動脈硬化とは、単に血管壁の内側に脂肪滴が堆積し、血管が分厚くなった状態を示します。血管の内腔が狭くなり、血流が滞ったり、ひどい時には血流が途絶えたりします。このプラークを減らす、または除去するためには、動脈硬化のメカニズムから攻めることが重要です。注目すべきは、プラーク形成のもととなるLDLコレステロールの存在。定説である動脈硬化の過程は、さまざまな疾患によって血管の内皮細胞に傷がつき、そこから血中のLDLコレステロールが侵入します。LDLコレステロールは酸化し、それを指標に白血球マクロファージが内膜に入り込み、プラークを形成します。このことから、油の質が良い悪いにかかわらず、油はすべて動脈硬化の原因になると言えます。 ただ、高血圧と動脈硬化は必ずしも相関しません。血圧を下げる薬を飲んでも、プラークが減るわけではないのです。

血管プラークがあらゆる病気を引き起こす

ここで、動脈硬化のレベルを4段階に分けて、初期症状から起こりやすい病気をご紹介します。
 レベル1では、血管内腔が狭まって血流が滞り、血液中の酸素が供給されにくくなります。すると、高血圧や肩こり、ひどい場合には大腸がん、肝臓がん、乳癌、前立腺がんといった病気につながります。
 レベル2では、脳の血流に障害が出るため、三叉神経痛、舌咽神経痛や、うつ病、立ち眩み、睡眠時間無呼吸症候群(SAS)、顔面神経麻痺、眼筋麻痺などが起こります。また、下肢の血流が滞り、下肢動脈閉塞や歩行時足痛などが生じます。
 レベル3では、眼と心筋に症状が出ます。例えば、眼に関しては加齢黄斑変性、網脈静脈閉塞症、視力低下、失明などが、心筋に関しては不整脈が起こります。さらに動脈壁の劣化により、大動脈解離、脳出血、くも膜下出血、じん不全といった重度な疾患が現れます。

 そしてレベル4になると、体の中でも太く重要な欠陥である脳動脈、大動脈、冠動脈がダメージを受けます。起こりやすい病気として、認知症、脳梗塞、一過性全健忘、大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症、疲労時狭心症、心筋梗塞とその再発があります。

動脈硬化の数値から、健康常識の非常識が解明された

では、動脈硬化の危険を避けるには、何が重要なのでしょうか。ここでは、筆者が担当した症例をもとに、健康常識を紐解いていきたいと思います。
 まず、健康オイルの過剰摂取はおすすめしません。オリーブ油で左総頚動脈プラークが悪化した患者さんがいました。食生活を辿ってみると、3年前からオリーブ油を使って料理し、加えて小さじ1杯を毎日飲んでいたというのです。ただ、週に数回程度であれば、オリーブ油を使った料理を食べてもプラークの増加には直結しません。
 次に、ココナッツオイルをよく摂取する人も危険です。ある患者さんは、通院していた1年前からココナッツオイルを大さじ1杯トーストに塗ったり、コーヒーに入れたりして毎日のように摂取していたそうです。すると、右頸動脈のプラークが肥厚し、意識消失に至ってしまったのです。
 このように、健康に良いと話題のオイルでも、毎日、過剰に摂取した場合には、動脈硬化を促進させてしまいます。
 これは、魚に含まれる脂肪に関しても同様です。世論では、魚の脂肪のうち、EPAとDHAが健康に効果的だと言われていますが、これらが占める割合はせいぜい10~20%でしかありません。魚の筋肉を食べるということは、その他大勢の脂肪分も一緒に摂取することになります。例えば、週3回、さば定食を食べ続けて動脈硬化が進行した症例があります。
 反対に、血管年齢が若くても、血糖値が低くても、動脈硬化のリスクは潜んでいます。実際、血管年齢が若い、もしくは年相応でも6割以上の人はプラークを持っているというデータがあります。

よって、突然死を免れるためには、血管プラークの量を正確に把握しておく必要があります。全身のプラーク量をはかるには、血液エコー検査が有用です。リスクレベル0~1なら、LDLコレステロール値が高くても、高血圧でも、肥満気味でも、心臓病や大きな疾患が出ていなければ、とりあえず脳梗塞などの心配はいりません。ただ、リスクレベル3以上なら高確率で数年以内に脳梗塞や心筋梗塞になることが予測されます。さらにレベル4まで上がると、LDLコレステロール値が低かったとしても、今がどんなに元気であっても、命に関わる病気が潜んでいる可能性が高くなります。

薬よりも食事の改善を行おう!

最後に、動脈硬化になりにくい食事内容をお伝えします。冒頭にも申し上げましたが、やめる、もしくは減らすべきは「油・脂」です。健康オイルや揚げ物、肉、牛乳など脂質が含まれる食べ物には充分注意してください。そして、野菜を多く食べるようにしましょう。野菜を食べるようになると、マクロファージの活性が高まるという報告があります。

また、野菜に含まれる消化酵素が油を分解し、体内に吸収されにくくしてくれることも知られています。野菜嫌いの人は、野菜ジュースなどで摂取するとよいでしょう。

まとめ

今回は、動脈硬化の常識は非常識であることをお話してきました。動脈硬化の症状として高血糖、高血圧が見られることはありますが、高血糖、高血圧だからといって動脈硬化になるわけではありません。逆もしかりで、健康診断ではとくに異常が検出されず、見た目も若々しく健康であっても、動脈硬化のリスクがないとは言い切れないのです。本書にはほかにも、動脈硬化にまつわる様々な症例が記載されているので、ぜひ読んで知見を深めてみてください。

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