今回は「血管を鍛えると超健康になる」
著者 池谷敏郎氏の本の要約です。さっと動画で見たい方は、こちら。約5分半です。
文章で読みたい方は、こちら。お好きなところからお読みいただけます。
「血管を鍛えると超健康になる」 著者 池谷敏郎氏
皆さんは「全身の臓器に必要な栄養や酸素を送っているもの」は何かわかりますか?
そう、それは血管です。
血管は体内に存在する細胞にとって、かけがえのない生命線であり、この血管が健康であることがあらゆる病気を防ぎ、若さを保つ秘訣であることは言うまでもありません。
そこで本書では「血管力」を「血管全体がしなやかさを保ち、その内側が滑らかで血液をスムーズに循環させることのできる力」と定義し、その血管力をいかに高めるかについて詳細に記述しています。
是非、本要約を通して「血管力」を高めて、いくつになっても生き生きとした生活を送っていきましょう!
本書の要点
1.なぜ「血管力」が大事なのか
2.血管を押し広げ血流を良くする「NO(エヌオー)」の秘密
3.血管の老化を進める4つの要因
なぜ「血管力」が大事なのか
「血管」と聞くと「血管年齢」を思い浮かべる人も多いでしょう。
「血管年齢」とは「血管の硬さを現した指標」であり、「血管が何歳相当に硬くなったのか」を示す指標です。
でも、この「血管年齢」と言う指標は一つ問題点があります。
それは、「軟らかいプラークができているけれど、血管の年齢がそれほど硬くなっていないような段階の動脈硬化は、血管年齢検査では過小評価されてしまう」と言う問題点です。
そこで、本書で重要視しているのが「血管力」という指標です。
前述したとおり、「血管力」とは「血管全体がしなやかさを保ち、その内壁は滑らかで、血液をスムーズに循環させることのできる力」です。
「血管年齢検査」で年齢相応だった患者さんでも、「血管力」を計測する「頸動脈エコー検査」を行うと動脈硬化が進行してプラークがあり、血管の内腔が狭くなっていたというケースも少なからずあります。
このように、血管の「硬さ」だけに注目するのではなく、「血管力」を高めることで真に健康な血管を作ることができるのです。
血管を押し広げ血流を良くする「NO(エヌオー)」の秘密
では「血管力」を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
そこで鍵になってくるのが「NO力」をアップすることです。
「NO」とは一酸化窒素のことで、動脈内の「血管内皮細胞」と呼ばれる薄い細胞の層から分泌されます。
血管は「お肌」と同じで、しなやかな血管を保つためには「潤い」が必要になってきます。
ちょうど「肌」から「皮脂」がきちんと分泌されているとしなやかで潤った美肌を維持できるように、「血管内皮細胞」から「NO」がきちんと分泌されていると、しなやかで詰まりにくい血管を保つことができるのです。
では、「NO」は具体的にどのような働きをしているのかというと、「血圧を安定させる」「動脈硬化を予防する」「傷ついた血管を修復する」など、「血管力」アップに直接結びついてくる働きをしています。
これの働きによって、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気の改善に「NO」が効果をもたらすとして、さらなる研究が進められています。
そして、この「NO」をたくさん分泌させる方法で有効なのは「ウォーキング」です。
健康のためには歩きましょうとよく言われますが、実は「NO力」アップのためにも役立ちます。
また、歩く時にちょっとした工夫をすると、その効果をさらに高められます。
その手順は、以下の通りです。
①お腹と背中をくっつけるようなイメージで、下腹部を凹ませる。
②この姿勢を意識したまま、いつもより少し早足で、歩幅は5センチ多くとるようにして歩く。
皆さんも是非この「NOウォーキング」を実践してみてください!
血管の老化を進める4つの要因
では最後に、「血管力」を下げて、血管を老化させてしまう4つの要因について解説します。
皆さんは、この4つの要因に当てはまっていないかチェックしてみて、もし当てはまるようであれば是非改善するようにしましょう。
その4つとは「喫煙」「高血圧」「脂質代謝異常」「高血糖」です。
これらの要因はすべて「動脈硬化」を引き起こしてしまい、血管にダメージを与えてしまいます。
これらの動脈硬化を防ぐ血管メンテナンス法の一つに「野菜を食べること」が本書では挙げられています。
心筋梗塞や脳卒中などの病気予防についても、野菜の摂取が良いという研究報告はたくさんあります。
こうなってくると、やはり「どの野菜を食べればいいか」ということが気になってきますが、特定の野菜が、特定の病気や症状を劇的に改善してくれることはありません。
そもそもなぜ野菜が血管に良いのかというと、野菜に含まれる「カリウム」が血圧を上昇させる「ナトリウム」の排出を促して血圧を安定させるからです。
また、野菜に含まれる「食物繊維」も血液中のコレステロールの排出を促し、脂肪を分解する酵素の働きを助ける作用があります。
ほかにも野菜にはエネルギー代謝に欠かせない「ビタミン」や「ミネラル」、人体で重要な役割を果たす「微量栄養素」である「フラボノイド」や「カルテノイド」を含んでいます。
これらは様々な種類があり、特に後者はたくさんの野菜にごく少量ずつ含まれています。
どれか特定の野菜を一つだけとるのではなく、複数の野菜をたくさん(目安は1日400グラム)とるようにしましょう。
まとめ
今回は「血管を鍛えると超健康になる」の要約を行いました。
それでは最後にざっくりと復習をします。
まず「血管年齢」という指標には問題点があり、それにかわって「血管力」という指標が重要になることを説明しました。
そしてその「血管力」を鍛えるためには「NO力」をアップさせる必要があり、それに効果的な運動として「ウォーキング」を挙げました。
最後に血管の老化を進めてしまう4つの要因(喫煙、高血圧、脂質代謝異常、高血糖)について解説し、それらは動脈硬化を進めてしまうこと、そして動脈硬化を防ぐ手段の一つとして様々な種類の野菜を1日400グラム程度摂ることを提案しました。
もし本要約が少しでも為になったと感じたり、もっと詳しく知りたいと感じたりした方は、是非本書を手に取ってご一読ください。
本書や本要約が、あなたの健康生活の一助になれば幸いです、
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