今回は「長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい!」著者、小薮 二郎(こやぶ じろう)の本の要約です。
添加物の摂りすぎは、健康に影響するというのは聞いたことがあると思います。ただ、一般の方にとって、どういった添加物を、どれくらい摂ったらダメなのか、詳しい基準を知らないことも多いかもしれません。本書は、安全な食品をどうやって摂ればいいか、関心はあるものの情報がないという方に向けて書かれています。製薬企業に就職した経験をもつ著者が、添加物など安全性に関わる研究の知見をもとに、添加物のあれこれについて解説しています。ぜひ添加物の正しい知識を知るきっかけとなれば幸いです。
本書の要点は4点です。
1.添加物にはどのようなものがあるか
2.体にとって悪いと言われる主な添加物
3.危険度が高い添加物リスト
4.添加物をたくさん摂り続けてきた方へ
まずは1から順番に解説していきます。
添加物にはどのようなものがあるか
まず、添加物としてよく使用される化学物質をご紹介します。
保存料には、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ポリリジンなどがあります。次に、甘味料としては、アスパルテーム、キシリトール、アセスルファムカリウム、サッカリン、スクラロース、ステビアなどがあります。あと、着色料には、カラメル、モナスカス、赤色○○号、黄色○○号などが有名です。また、酸化防止剤には、BHT、BHA、トコフェロール、エリソルビン酸などがあります。そして、食べ物の発色をよくするために、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなどが用いられます。ハム、ソーセージ、ベーコンなどの畜肉製品に使用されることが多いですね。
そして、防カビ剤として、OPP(オルトフェニルフェノール)、DP(ジフェニル)、イマザリルといった化学物質が使われます。その他、安定剤、増粘剤も添加物として使用されます。
一方、化学物質名を記載せず、添加物の用途名だけが書かれるものもあります。
例えば、イーストフード(塩化マグネシウム、リン酸2水素アンモニウム、炭酸カリウム、グルコン酸カリウムなど18種類のうち、いくつかを混ぜて使用する)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステルなど)、苦味料(カフェインなど)、酵素、香料、酸味料、軟化剤、調味料、凝固剤、pH調整剤、膨張剤(ベーキングパウダーなど9、光沢剤(パラフィンなど)がそれにあたります。
つづいて2番目の要点を解説します。
体にとって悪いと言われる主な添加物
では、これまでに列挙した添加物の中でも、体に悪さすることが分かっている添加物には、どういったものがあるのでしょうか。
まず、調味料として使用されるアミノ酸は、ほとんどがグルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸ナトリウムは、焼いたり揚げたりするなど、高温処理すると発がん性物質を生じることが知られています。
次に、グリシンです。おにぎり、弁当、サンドイッチなどに使用されていますが、強烈な眠気を引き起こします。そのため、運転前、運転中に食べると、事故の危険性が高まるという怖さがあります。
そして、リン酸塩です。一般的に、リン酸は食事でも充分に摂取されるのですが、添加物によって過剰摂取されると、子どもから大人まで共通して骨がもろくなってしまいます。
その結果、神経過敏、抑うつ、集中力低下などを引き起こし、心筋梗塞など死に至る病気に繋がることもあります。実際、食品の原料表示には「リン酸塩」と書かれる以外に、「イーストフード」「調味料」「pH調整剤」「膨張剤」「乳化剤」などと記載されています。
これら以外ですと、ミョウバン、甘草抽出物、カラメル色素、食用色素なども体に悪影響を及ぼすことが知られています。
つづいて3番目の要点を解説します。
危険度が高い添加物リスト
ここまでを振り返ってみると、市販の食品にはさまざまな添加物が使用されていることが分かりますよね。したがって、添加物をまったく摂らずに過ごすのは難しいかもしれません。そこで、添加物の危険度に応じて、著者はランク付けを行っています。
基準としては、①摂取頻度、②毒性の強さ、③ほかの添加物と併用される頻度、④不純物に関する規制の程度、⑤食品中または調理中に有害物質へと変化するかどうか、という基準によってランク付けがなされています。今回は、危険度が最大のもののみ以下に抜粋しておきます。
①乳化剤:パン、菓子、乳製品、マーガリン、缶コーヒー、揚げ物、てんぷら粉など
②膨張剤:てんぷら粉、ホットケーキミックス、てんぷら、ビスケット、ドーナツなど
③着色料:漬物、ソーセージ、清涼飲料水、ジャムなど
④サッカリン:チューインガム、飲料水、歯磨き粉など
⑤ソルビン酸:ハム、ソーセージ、ベーコン、燻製品など
⑥BHA、BHT:バター、マーガリン、魚介冷凍品など
⑦香料:野菜ジュース、ケーキ、菓子、ガムなど
最後の4番目の要点を解説します。
添加物をたくさん摂り続けてきた方へ
添加物は体に悪いと分かっていても、日常的に摂取する食べ物には何かと含まれていることが分かりましたね。毎日のように摂っていると、若い頃は何ともなくても、老化するにしたがって体の不調として現れるものです。したがって、健康的に長生きするためにも、外食やパン、菓子、漬物といった既製食品を摂る頻度・量を減らしていくことが重要です。体内に入った添加物などは、特に脂肪組織や骨に蓄積しやすく、いったん貯まるとなかなか排泄できなくなります。とにかく自炊する機会を増やし、常に原材料表示をチェックするように心がけてみてください。
まとめ
今回は、添加物の種類について詳しく解説してきました。普段、コンビニやスーパー、デパートなどで購入する食品には、さまざまな添加物が使用されています。それは、お惣菜や冷凍食品、パンのような既製品だけでなく、パンケーキミックスやお菓子の材料など、食品のもととなるものにも含まれています。本書には、各添加物に関して、医学的な症例報告や注意点なども記載されているので、添加物を食べないようにしたい、もっと健康的な生活を送りたい、など興味を持たれた方はぜひ一度手にとってみてください。
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