腸に関する本のブログ

麴親子の発酵はすごい!(山元正博氏・山元文晴氏)要約

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今回は「麹親子の発酵はすごい!」
著者「山元正博氏・山元文晴氏(やまもとまさひろ・やまもとぶんせい)」の本の要約です。

突然ですが皆さんは「麹と発酵」と聞くと何を思い浮かべますか?
味噌や醤油といった身近な調味料を思い浮かべる方もいれば、女性なら甘酒を思い浮かべる人もいるでしょう。

ある研究によると、麹と発酵は健康や美容にハッキリとした効果がある、ということが報告されています。美容、と聞くと女性の方向けと思われがちですがメタボリックシンドローム対策や髪など男女問わず嬉しい効果が沢山あるのです。
さらに麹は健康や美容だけでなく環境問題にも貢献ができる奥深い魅力があります。

今回要約する本「麹親子の発酵はすごい!」ではそんな奥深い発酵と麹の魅力について詳しく解説しています。
麹を生活に取り込み、健康・美容に良いサステイナブルな暮らしを実現しましょう!

本書の要点は以下の4つです。

1.そもそも麹ってなに?
2.麹には驚きの健康・美容効果があった!
3.麹の食事への取り入れ方
4.麹は環境にも優しい

1.そもそも麹ってなに?

「麹(こうじ)」とは何か、あなたは説明できますか?
名前はよく聞くけれど、麹についてしっかり理解していないという人は意外にも多いのではないでしょうか。

麹とは麹菌という微生物のことです、そして麹菌はカビの仲間です。
「カビを口に入れても大丈夫なのか」と心配に思われるかもしれませんが、日本の一千年以上に渡る食の歴史が安全という事を証明しています。

現在の清酒や焼酎には黄麹、黒麹、白麹が欠かせない材料として入っています。
日本人は長い歴史をかけてカビと上手く付き合い、より良く利用する方法を模索、研究、実践しながら、麹菌による豊かな食文化を育んできたのです。

麹をお酒や食品へと加工するには「発酵」というプロセスが必要です。
発酵とは簡単に説明すると「微生物の代謝活動を使って食べ物をより美味しくし、そのままの状態より少し長持ちさせるプロセスと技術」です。

この微生物の活動によって美味しいものが出来上がり、長期間保存がきくようになります。
更に言うと、この微生物が様々な栄養を小さく分解してくれるので、人間が栄養をより吸収しやすくなります

麹に関して言えば、大量の酵素を出して元の物質を分解してくれるので、肉や魚などのたんぱく質を分解し、うま味を増すとともに柔らかくしてくれたり、米のでんぷんが分解されて糖になり、甘みが増したりします。

発酵とは人間の工夫と技術の英知の結晶であると同時に、人間と微生物の協力体制の歴史ともいえるかもしれません。

2.麹には驚きの健康・美容効果があった!

麹菌は毒性を持たないカビであり、それを使って造った種麹(たねこうじ)を使い、発酵というプロセスを経て造られた食べ物には、糖、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど、人間にとって欠かせない栄養がぎっしり詰まっています。
そのため健康や美容に驚くほど良い効果があるのです。
麹菌がもたらすさまざまな効果のうち、最も美容や健康に良い効果は「腸内環境を改善すること」です。

ある研究では、黒麹や白麹を摂ると腸内環境が改善されて免疫力がアップすること、便秘を改善する効果があることが報告されています

さらに最新の腸内細菌の研究によると、免疫細胞の6~7割は大腸で成長する事が分かっています。つまり、大腸が元気であれば、免疫細胞もよく育ち、消化と吸収も活発化するので、当然便通もスムーズになります。麹を摂ることは健康の土台作りをすることと言えるでしょう。

麹菌が生み出す物質の中には、高血圧を抑える物質も含まれています。
少し難しい話になりますが、高血圧を引き起こす原因のひとつに、アンギオテンシン変換酵素という酵素があります。この酵素の働きを、麹が作り出す物質が邪魔をするため、高血圧になりにくくなるのです。

3.麹の食事への取り入れ方

さて、ここまでは麹菌とそこから造る麹、そして麹を使った発酵食品が、私たちの体にいかによい働きをしてくれるかを解説してきました。

ここからはまず、おすすめしたいのが「和食」です。
和食の根幹ともいえる「さしすせそ」の調味料のうち、酢・醤油・味噌には造る過程で麹が入っています。また、みりんを造る時にも麹は使われます。

それらを毎日の食事に使って食べていれば、麹を摂取しているとも言えます。
また、これらの調味料は、製造過程すべてに麹が入っていて、その上「発酵」というプロセスが入っているので取り入れやすさの面でも、体に良いという面で見てもおすすめの摂取方法です。

麹を日常的に摂る物として、もうひとつおすすめしたいのが「甘酒」です。
甘酒は米麹と米と水だけで作れる、日本の素晴らしい食べ物のひとつです。

甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれ、栄養が詰まった素晴らしい飲み物という認識が広まってきました。甘酒をおすすめするのは単に栄養があるだけでなく、自然の甘みでできているというところにあります。最近は合成調味料が様々なところで使われていますが、自然界に存在せず分解もできない物質を体内で分解しようとすると、腸内細菌バランスが崩れ体全体の免疫力低下にもつながります。甘酒の甘みは、多く含まれているオリゴ糖の自然な甘みなので「美味しい」と「体に良い」両方を叶える事ができるのです。

4.麹は環境にも優しい

このように身体にとっても優しい麹ですが、実は麹は環境にも優しいのです。
「麹と発酵」が環境に優しいなんて驚きですよね。

発酵技術はすでに、食べ物を作るだけでなく、新しいクリーンなエネルギーを作り出す重要なプロセスとして活躍しています。バイオ燃料や環境に良いバイオプラスチックの製造過程には、実は全て「発酵」が入っているのです。

また、日本でも一時期、産業排水による河川の汚染が大きな問題となりましたがこれを解決し、現在も行われている方法も「微生物による発酵」なのです。

そしてここに、麹の出番もあるのです。
発酵というプロセスの中で、大量の酵素を出して物質を分解し、他の物質に変えたり、発酵の前には無かった物質を生み出し、発酵の段階で強い熱を発する点は、元々麹が得意とするところです。
麹を上手く飼料に利用すれば、大掛かりな予算をかけずとも家畜を健康で大きく、肉質や卵の質もよくすることが可能です。

他にも、食品ロスやゴミを飼料に変えたり、家畜の悪臭を激減させたり、麹を食べた家畜の糞は栄養価のある素晴らしい堆肥になります。
皆さんも麹を使った発酵食品を食べて、健康にも美容にも、環境にも良い暮らしを実現しませんか?

まとめ

今回は「麴親子の発酵はすごい!」を解説しました。
皆さんの身近にある「麹」と「発酵」が様々な場面で活躍していることを初めて知った方もいるのではないでしょうか。
それでは最後にまとめです。
麹とは、麹菌という微生物のことです。
日本人は、麹菌が行う「発酵」というはたらきを利用しながら、味噌や醤油、甘酒などの発酵食品を造ってきました。

発酵食品には、腸内環境を整えたり肥満や高血圧になる確率を下げたりと、さまざまな美容・健康に良い効果があります。麹をいつもの食事に取り入れるためには、和食を食べたり甘酒を飲んだりするのが効果的です。

さらに麹は身体に良いだけではなく、環境にも優しいです。
麹を利用した発酵技術は環境問題やゴミ問題などを解決する方法として使われています。

麹を日常生活により意識して摂り入れ、私たちも美容・健康だけでなく、持続可能な地球の環境作りに貢献していきましょう。
本書や本要約が、あなたの素敵な健康生活のヒントとなれば幸いです。

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