筆者は現在101歳。現役の医師として、様々な病気を抱えた患者を診ています。なぜこの歳まで仕事ができるのか?はっきり言えるのは、毎日実践している習慣のおかげということです。そしてその習慣はどれも簡単なものです。それらの習慣はいずれも至ってシンプルであり、やればやるほど健康になります。良い習慣をどれだけ長く、毎日継続させられるかどうかで健康長寿に大きな差がつくのです。
実際に、健康長寿な人の多くには自分なりの体に気を使った習慣を持っているという傾向が見られます。ご紹介する習慣をご自身でアレンジし、上手に生活に取り入れていただければ、今以上に楽しくワクワクする毎日を過ごしていただけると思います。
本書の要点は以下の3点です。
1、規則正しい生活こそ元気のキモ
2、体には軽めの運動が1番いい
3、野菜を取って体のサビを落とす
1、規則正しい生活こそ元気のキモ
人類が狩猟民族だった頃は、獲物が取れなければ食事にありつけませんでした。夜は獣に襲われないよう、短い睡眠を繰り返していたでしょう。おそらく彼らは、本能とも言える体の声になるべく素直に従って生きていたのです。しかし現代人は、自然から離れた文明的な生活を送っているため、本能の欲求ではなく頭の欲求に従っている節があるのです。例えば、お腹がいっぱいなのにケーキを見ると、甘いものは別腹だと言ってペロリと食べてしまう。これは体がもう食べることを欲していないにも関わらず、無視して頭の欲求に従って食べているのです。このように現代人は、いつしか体の発する声に耳を傾けられなくなっているのです。そうすると、現代人の生活はかなり不規則なものになっていると言えます。当然、健康にとってマイナスにしかならないでしょう。
そのため、まずは毎日決まった時間に就寝し、決まった時間に起きることが欠かせません。決まった時間に寝て、決まった時間に起きることで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。これに加えて、決まった時間に食事を取ることで、消化吸収効率を高めてくれるのです。
不規則な食事の取り方は、いきなりアクセルを強く踏んでエンジンをかけるような負担を体に与えます。規則正しい生活によって、体に良いリズムを作ることが欠かせないのです。
2、体には軽めの運動が1番いい
健康のために行う運動は、ほどほどでいいのです。適度に体を動かすと、高血圧、肥満、心臓病、糖尿病などの予防や改善に繋がります。しかし、体にいいからと言って量が多すぎると、怪我や疲労の蓄積による、様々な疾病の原因になる可能性もあります。
実際、健康に違いないと思われがちなスポーツ選手は、意外に一般人と比べて寿命が短いと言われています。その理由は運動をやりすぎることにあります。運動を過度に行うと、体の活性酸素を増やして、細胞や組織にダメージを与えるのです。運動をする時は、目標を低めに設定して、喜びや充実感、心地良さを感じることを重要視しましょう。辛くならない、適度な軽い運動というのは実に気持ちの良いものです。良い気分で運動が出来れば、継続もしやすくなるでしょう。
また、心の持ち方や精神の状態といったものは、内臓や免疫システムなどの体の健康と密接な関係があります。心の健康は、体の健康に直結しているのです。過度なストレスは心拍数と血圧を上げるため、高血圧や心筋梗塞の原因になります。また、血栓が出来やすくなることで脳梗塞の要因にもなります。よく知られているのが、ストレスによる免疫力低下とガンの関係です。ストレスを長期的に抱えると、免疫力が低下してしまうのでウイルス性の病気に負けやすくなるだけでなく、ガンの原因になるとも言われています。
ストレスとは反対に、常に前向きで明るい気持ちでいると、セロトニンやオキシトシン、ドーパミンといった幸せホルモンが分泌されます。このような幸せホルモンは心のバランスを整え、ボケ防止や、ストレス軽減などの作用を持っています。体だけでなく、精神面も健康に深く関わっているのです。
3、野菜を取って体のサビを落とす
健康な食事を考える上で最も重要な食材は、野菜かもしれません。野菜には、ガン、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病を予防するのに効果的な栄養素が豊富に含まれているためです。そして野菜は、体をサビさせる活性酸素を減らす効果があります。仕事や人間関係のストレスが多く、添加物など加工食品を取ることが多いと活性酸素は増えます。野菜にはこういった活性酸素を減らす、抗酸化成分が含まれるものがたくさんあります。
また、肥満や糖尿病の予防には血糖値のコントロールが必要ですが、そのためには食後の血糖値の急上昇を防ぐことが重要です。野菜の他に、きのこ、海藻、納豆などに豊富に含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれます。そしてそれらを、他のおかずよりも先に1番最初に食べるという習慣をつけるとことが、血糖値の急上昇を抑える重要なポイントになります。ちなみに、生野菜をそのまま多く取ると消化にあまり良くないので、スムージー状にしたり、煮たり、炊いたり、温野菜にして食べるといった取り方がおすすめです。
また、野菜の量を増やすことと同時に甘いものやファストフードなど、体に悪い食べものは避けるといったことも大切です。今まで食べていた甘いものやファストフードを、野菜に置き換えるなどの工夫をすることをおすすめします。野菜の摂取量や種類を増やした食生活を続けると、体の状態が変わってくるのが実感できるはずです。
まとめ
以上のように、本要約では規則正しい生活や適度な軽い運動、そして様々な野菜をたくさん取ることの重要さについて詳しく解説しました。体調が不安定な人ほど、お腹がすく時間や眠くなる時間が、毎日バラバラの傾向にあるといいます。
反対に体調が安定している人ほど、食べたいと思う時間や寝たいと感じる時間が決まっている傾向にあるのです。健康で長生きするためには、規則正しい生活をし、運動したり野菜を多く取るといった良い習慣を継続していく必要があるということがお分かりいただけたと思います。
そして習慣を継続していくうえで重要なのが、ストレスをなくすということです。解説した通り、過度なストレスは健康を損なう原因になります。自分に出来そうなレベルの習慣を、楽しみながら継続していくことが習慣化成功の鍵なのです。
また、本書では要約で扱えなかった「死ぬまで歩ける毎日30分の習慣」や「体に悪い避けるべき食べもの」についても詳しく解説されています。少しでも興味を持った人は、是非一度本書を手に取って読んでみてください。
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