今回は「40歳からは食べ方を変えなさい!」
著者 済陽高穂氏の本の要約です。要約をさっと見たい方はこちら。約8分です。
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「40歳からは食べ方を変えなさい!」 著者 済陽高穂氏
老化時計が進んで行く40代からは、体に必要な食べ物が大きく変わります。それは「代謝の低下」により、食事で摂った栄養を充分に活用できなくなるからです。本書は、食事療法を土台に、40歳から代謝のいい「若い体をつくる」食習慣にフォーカスしており、今回はその食べ合わせのノウハウを詳しくご説明します。
本書の要点
1.40歳から老けない、病気にならないために、理想の食習慣を学ぼう
2.体の糖化を防ぐ「太る」「老ける」食材を回避する
3.体を温める食、腸をきれいにする食で、免疫力をアップさせよう
4.「7色の野菜パワー」で体の毒を捨てよう
5.血管年齢の若返りには、青魚、オリーブオイル、タンパクの摂り方などが大事
40歳から老けない、病気にならないために、理想の食習慣を学ぼう
40歳前後は、代謝が急激に下がり、息切れ、抜け毛、白髪、肌荒れ、視力低下といった体の老化現象があらわれる年代です。そんな中年世代によくある食習慣が、「食事時間が不規則」「麺類、パンなど糖質中心」「主食から食べる」などでしょう。気ままな食習慣を改めるためには、毎日の食事を改善しなければなりません。
最初のポイントは、なんといっても体の糖化。糖化を防ぐためには、主食のごはんのコントロールが非常に重要です。また、塩分過多によって体内のミネラルバランスが崩れると、代謝異常が生じ、体が冷えて免疫力が低下してしまいます。この悪循環から抜け出すおすすめは、腸内の汚れを落とす発酵食品、乳製品や、体内毒素を消す野菜になります。
では、具体的に「何を、どう食べればいい」のでしょうか?筆者は30品目を取り上げていますが、ここでは一部をご紹介します。
毎日取りたい食材もありますが、基本は週2、3回摂っていれば問題ありません。
・りんご、レモン、ぶどう
・大豆、納豆
・きのこ
・乳製品
・白米、玄米
・肉、魚
・野菜(大根、トマト、ブロッコリー、にんじん、玉ねぎ、キャベツなど)
食材に加えて、さらに重要なのが「若くなる食べ方」です。ポイントは、①1日3食、出来る限り同じ時間に、②先ほどの30品目を中心に栄養バランスを整える、③食べる順番を守る、の3点になります。たった3つのルールですが、実行して早い人だと1週間で体に変化が現れます。まず、①の中でも朝食は、体内リズムを整えるうえで重要です。各食事は3、4時間空けてから摂るのがおすすめ。夕食は20時~21時までには終えましょう。②に関しては、腹八分目に抑えることも基本です。これは、食事のカロリー量が減ることで、長寿遺伝子のスイッチをオンにするからです。最後に③については、野菜だけ先に胃に入れて、あとから食べる白米による血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
このように、食習慣の改善は、血糖値や血圧などを正常にコントロールでき、糖尿病や血管系疾患、がんの予防にもつながります。思い立ったらすぐにでも意識してみましょう。
体の糖化を防ぐ、「太る」「老ける」食材を回避する
40歳からは、炭水化物と上手に付き合っていかなければなりません。理想は、血糖値をコントロールするために、糖質を適度に摂ること。たとえば、揚げ物やお菓子には、質のよくない油や人工甘味料、保存料などが使用されており、老化を早める原因の一つです。また、血糖値の急上昇する食べ物、緩やかな食べ物を知っていれば、炭水化物の正しい摂り方がわかりますね。
糖化の目安になるGI値(グリセミック指数)は、その値が高いほど食後、血糖値が急激に上がって肥満や糖化を導きます。気をつけるべきGI値は「60以下」かどうか。60を超える例としては、食パン、菓子パン、精白米、砂糖などがあり、主食や間食でもGI値に気を配ることが重要だとわかります。ただ、たとえば白米には便秘の予防・解消効果があったり、全粒粉パスタやそばは、比較的血糖値の急上昇を防ぐ炭水化物です。よって、GI値そのものだけでなく、他の栄養素や食事リズムなどの食習慣ともあわせて、炭水化物の摂り方を見直すことが重要です。
ここで、糖化を防ぐ食材、食べ合わせをいくつか紹介しておきます。
・玄米
・りんご(はちみつと食べてもGood)
・じゃがいも
・大根
体を温める食、腸をきれいにする食で、免疫力をアップさせよう
医学的には、体温が1度下がると、免疫力は4割も低下するといわれるほど、体温の低下は老化や病気につながりやすいものです。熱エネルギーを産生させるためには、代謝の向上が重要であり、代謝を促進するのがビタミンB群、A、C、Eです。これらの栄養素が豊富な食材は、たとえば玄米、にんにく、しいたけ、昆布、レモン、肉、卵、納豆、酢などです。冷えがひどい人は、ビタミンEが豊富なかぼちゃ、アボカド、ナッツ類もおすすめです。
次に、腸環境を整える食事のポイントですが、①食事で善玉菌を増やす、②発酵食品を摂る、の2つが重要です。善玉菌はオリゴ糖や食物繊維をえさにして増えるので、野菜、特にブロッコリー、ほうれん草、小松菜、にんじんなどの緑黄色野菜、大根、ごぼうなどの根菜、そして果物をたくさん摂るようにしましょう。さらに、ヨーグルトなどの発酵食品でビフィズス菌を増やし、善玉菌を補充することも大切です。
「7色の野菜パワー」で体の毒を捨てよう
さて、40代からは炭水化物の摂り方に注意しようと述べてきましたが、糖質過多によって発生する活性酸素を減らすためには、野菜を積極的に取り入れることが重要になります。野菜は「赤、橙、黄、緑、紫、黒、白」の7色に分けられ、これらを1日4~5色を目安にして、偏りなく摂るといいでしょう。野菜は毎日、それも夕食でたくさん摂って、体内の毒素を排出させましょう。また、栄養素や酵素を壊さず摂るには、生で食べるのがベスト。たとえば、朝食にサラダや果物を摂るとか、ミキサージュースをつくるのもいいですね。
あとは、野菜や果物に劣らない魔法の食材として「ゴマ」があります。ゴマは、脂肪代謝をスムーズにしたり、肝臓の働きを助けたりして、老化を防止してくれます。さらに、ゴマに含まれるタンパクは、幸福ホルモンの「セロトニン」の原料などが含まれているため、女性ホルモンのバランスを整えたり、気持ちを穏やかにしてくれたりする効果があるのです。他には、緑茶もカテキン効果により、胃がんの発生率を低下させ、インフルエンザや風邪を予防する食材です。
血管年齢の若返りには、青魚、オリーブオイル、タンパクの摂り方などが大事
血管年齢を左右するのは、しなやかな血管、サラサラな血液です。血管・血液の若返りを左右するのが「脂肪酸」で、特に健康な血液づくりに欠かせないのが「オメガ3系」と呼ばれる、鮭や青魚に多いEPAとDHAです。植物油ではアマニ油、エゴマ油などもおすすめです。ただ、体によくても油分の過剰摂取は禁物です。
料理に用いる食用油の必要摂取量は、健康な人なら大さじ2杯までが目安です。
それ以外にも、
・加工食品やスナック菓子、お酒の摂取量を減らす
・肉や魚といったタンパクを多めに摂る
・生の肉、魚、野菜、果物、発酵食品から得られる「酵素」を摂る
などの食事改善も重要です。
まとめ
今回は、中年から一気に変わる「体の健康と食生活の基本」について、栄養学の視点からさまざまな食材、その摂り方をお伝えしてきました。本書には、各食材のメリットや効能が細かく記載されており、今すぐにでも食生活を改善したい!という方にとっては、食のバイブルにもなると思いますので、ぜひ本書を読んで実践してみてくださいね!
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